柴野貞夫時事問題研究会 本文へジャンプ



(韓国 ハンギョレ紙    2007年 10月27日)

 

http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/246000.html (原文)

                                           

 

 

拉致問題執着の安倍外交の遺産から、抜け出なければ”

<福田政府一ヶ月 北・日関係改善 東京討論会>

 

 

>25日開かれた、対北政策関連の討論会で、小此木正雄・慶応大教授(右側)が主題発表をしている。 東京/キム・ドヒョン特派員

 

 

めぐみの遺骨、真偽の物議、国際機関の再鑑定も

 

 

福田康夫総理の、政府の出帆の一ヶ月に当る25日、日本の著名な韓半島専門家と学者らが、大挙参加した討論会が東京都内で開かれた。日朝亜国交促進国民協会主催で開かれたこの日の討論会へ参加した、和田春樹東京大名誉教授、小此木正雄慶応大教授、 カン・サンジュ(姜尚中)東京大教授、平岩俊二静岡県立大教授は、福田政府の対北政策の転換の可能性と、北―日、関係首脳会談の為の条件などに対して、熱を帯びた討論をひろげた。

 

 

■   福田政府の対北外交=  小此木教授は、拉致問題解決を最優先課題として押し立てた前任、安倍晋三政府外交の遺産が、福田総理を拘束していると指摘した。とくに彼は、“北韓のテロ支援国指定解除問題が、福田外交の最大難題の中の一つ”と指摘して、“ブッシュ政権は拉致問題に対して決して忘れる事はないと言いながらも、拉致問題解決が解除の前提条件であるとは言っていない。”と言った。彼は、対北関係にたいしては、“短期的に若干悲観的であるが、長期的に楽観的”だと言う見解を披瀝した。なによりも、安倍外交の路線をそのまま継承して、国際協調に逆行する式の、北-日 国交正常化協議は、不可能だと言うのだ。

 

 

    平岩教授は、“日本が(拉致問題に執着して)北核問題の進捗を妨害する状況を受け入れるのは、最も大きな問題”であり、明確な協議目標を設定した対北協議が重要であると、主張した。

 

 

■   拉致問題解決策=  和田教授は、“北韓が死んだと明らかにした、拉致被害者に対する正確な資料要求等を協議次元で必要とするが、拉致被害者を全員 生存者の観点で帰国させると言う主張は、無理がある”し“協議の入り口で完全に塞がってしまう論理”だと指摘した。彼は、協議の足首を掴んでいる、所謂(いわゆる)横田めぐみの遺骨の真偽論争に対して、国際機関に依る再鑑定を解決策として提示した。彼は、日本政府の対北経済制裁にたいして“当初 発動は拉致問題と関連が無かった。”のであり、北韓がミサイル発射を中止して、北核問題の進展がある状況であるわけであり、国交正常化の意思があれば果敢に解除する必要があると強調した。

 

 

    姜教授は、“拉致事件は、日本の内部政治の問題に取り替えられた。”のであり、政治的妥結を注文した。彼は、“日本政府は拉致問題の解決が、何であるか北韓に確実に伝達しなければならない。”のであり、“生存者全員の無条件の帰国を話せば、北韓は、政治解決の展望が立たないとかんがえる”と言った。

 

 

    小此木教授は“日本国内世論も、今のところは北韓に譲歩することを嫌がっているが、ずるずる引きずれば膠着状態を非難することになる”といって日本国内世論の両面性を指摘することもした。小此木教授は、北韓に対しても誠意ある対応と決断をうながした。彼は、北韓が拉致問題に対して果敢にでて来なければ福田政府が(関係改善を)したくとも出来ないのであり、“日本国民がある程度理解しなければ国交正常化までは踏み出すことが出来ない”と言った。しかし、和田教授は“北韓が言える事は、再調査を通して、どんな状況で、どのように死んだのか程度であろう”と言って日本が期待する果敢な対応は、難しいものと見通した。(訳 柴野貞夫)